« 混んでいる時に入りたいパビリオン | トップページ | 日帰りで行ける距離ならどこまでも »

2005年6月29日 (水)

5X2

日本タイトルは『ふたりの5つの分かれ道』と称された、フランソワ・オゾン新作。べつにわかれ道なわけではなく、あるカップルの5つの時間が逆行して描かれる。といっても、シーンは5つしかないので、むしろ、同じ主人公にしたオムニバスが5話ある感じ。というのも、いずれのエピソードも、濃密なドラマが、すごくさりげないかたち(でも、おそらく、観客は、そのさりげなさに気づける、という離れ業)で描かれる。まるで、ジャームッシュのような「何もないストーリー」がカップルを主人公で進む感じでもある。すごく澄み切った鑑賞感は、おそらく「2人の恋愛生活」について以外の描写がまったくされないことで、そういう意味で、「もっとも邪念がない2人の話だけの話がうまれる数分間」のドラマなのかもしれない。夫の兄が解放的なゲイであったりするのが、さすがオゾンの、少しのお遊び。こんな家族関係が、フランスでもありうるのかどうかわからない。兄の恋人(青年)の印象を弟夫妻が語り合うなんて。こういった柔らかいファンタジーなども含めて、なにげない日常でくぎづけにする。エピソードとエピソードの蝶番のように、イタリアン・ポップス。ちょっとラース・フォン・トリアー『奇跡の海』を想いだす。しかし、こんなさりげないドラマ(ベッドシーンがあんなにも演技性に富んだものなのは初めてみました)こそ、演ずるふたりは、ものすごい演技力だと思います。

|

« 混んでいる時に入りたいパビリオン | トップページ | 日帰りで行ける距離ならどこまでも »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/92257/4764172

この記事へのトラックバック一覧です: 5X2:

« 混んでいる時に入りたいパビリオン | トップページ | 日帰りで行ける距離ならどこまでも »