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2005年10月31日 (月)

あまりにも深いもの

いい映画を観た、その直後には「本年ナンバーワンだ!」と思うものの、その自分的”本年度ナンバーワン”がいっぱい実は出てきてしまって、同率首位がエラくいっぱいあるなぁ、という状況になるものですが、先日、ついに見た『マイ・アーキテクト』、これは、本当に、半端じゃなかった。映画を観たとかそういうことを超えての深い感動があった。何しろ、25年前に死んだ父の姿を、インタビューしてまわる”愛人との間に生まれた息子”(これが監督)の話(話というか、そういうルポルタージュである)。その父は、伝説的な建築家であり、その建築のアートぶりも、半端じゃない。30年以上前に、父の設計によって立てられた建築物は、時には”廃墟”っぽい雰囲気を漂わせている。「建築は常に50年先を見ている」と、登場する人の中で発言する方がいる。30年前に想像された50年先に生き延びる建築。ラストに、ものすごい構築物との出会い。監督をして、ここで意味深さを感じさせたほどの、これがすごい代物。ドキュメンタリーなのに、最後にどうなるのか、いわない方がいいと思わせる、すごい感動が待っている。この作品は、宿命的な人生をもって生まれた人間がたどる、距離と時間の旅であり、亡き父との対話にも近くなる。監督と父との家族関係をめぐる展開でも、なかなかフィクションではこうは書けない展開も用意される。ちょっと、見終わって、呆然として、自分は、ちっぽけな人間でしかないなぁ、と感じてしまう。大変なフィルムでありました。多分、これは、同率首位の作品は、ちょっと今後もでてこないでしょう、当分。というか、この作品自体、もう「映画」とは別世界にあると感じます。

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