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2005年10月19日 (水)

懐かしい難解さ

ゴダールの『アワーミュージック』みましたぁ。ゴダール鑑賞者には、自分としては、おそらく3パターンあると思っていて、1「『勝手にしやがれ』の頃のものからちゃんとずっと観ている人」2「『パッション』あたりの一見難解型から観ている人」3「初めての人」4「その他」。私は、2でして、ぶっちゃけ学生時に『パッション』では猛烈に催眠術にかかってしまい(確か、2回挑戦したが2回とも)。そして心地よく「観れた」のが『カルメンという名の女』(at三越劇場)『ゴダールのマリア』(atサンケイホール)『右側に気をつけろ』(at三越劇場)で、あのあたりから「かっこつけたセリフでストレートでない」「編集が、微妙にずらした感じで心地よい」「とにかく画面が驚くほど美しい」のこの3点でとにかく突っ走り、エロから政治までをミキサーにかけて自己嘲笑しまくるゴダールが、いわば基本的にいつも同じなので、この一見難解さが、懐かしく思えるように、今ではなってしまっていた。その後は、リアルタイムで観たのは『ヌーヴェルヴァーグ』ぐらいだったため(『はなればなれに』は観たけれど、『パッション』当時以後の作品ではないので、リアルタイムではない)、本日の『アワーミュージック』は久々の感動だった。これまでも、結構、ちゃんと公開されていたのだから、その都度再会すべきだったな、と思う。ああ、こういう映画が似合っていたシネ・ヴィヴァン六本木も、今はないのだなぁ、。さて、『アワーミュージック』は、最高だったが、特別に言及することはない。全く同じ映画をまた観たわけではない、ということだけである。ゴダール映画の目の覚める鮮やかさは、今回も、そうかカラックスの『ポーラX』の感じはやはりゴダールだったなぁ、といまさらに思う。「人間はいつの時代も殺戮し合い、生存者がいるのが不思議なぐらいだ」とインテリならではの反戦メッセージを難解に塗りこめて、初めてみる人には「さっぱり判らんわ」というだろう深さを気持ちよがる。様々な滑稽さと、あまりもの美しさが同居するが、本当に、こういった、「とにかく美しい」ということに感動できる作品は公開されなくなったなぁ、と前回のコメントと一見正反対のことを思う。「ドラマ性に感動」しなくても、「感動」というものはいろいろある。恋人が死ななくても、子供や犬や老人が出てこなくても、恋愛しあわなくても、感動はある。というか、前者による「感動」はあまりにも容易ではないか。「説明できない感動」が味わえる作品が戻ってきてほしいな、と思う。一瞬、庵野秀明の『式日』を想いだす。あの感動も、何が何だかわからない感動だったな、そういえば。

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