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2005年11月30日 (水)

転がれたまこ

『転がれ!たま子』。ビジュアル的に『アメリ』と『ぼくは怖くない』であります。なんというか、いろいろと、突き抜けないものを感じずにいられないのですが、それは、まだ若い監督だから、ということで済ませましょうか。それとも、若い監督にベテラン技術スタッフという、なかなか、おそらく現場は苦労したろうな、という感じから出てくるものでしょうか。途中からなくなってしまうオシャレなナレーション(前半の、ナレーションでシーンや登場人物の過去を解説していくくだりは、新しい!)と、ぎこちないリズムのカット編集は、すわり心地のムズムズする新人系監督ならではのものを感じてよかったのですが、どんどんストーリーがドラマ性を失っていき、ラストには、「すべてがハッピーエンド」という、ドラマ性ゼロの状態に帰結する、すなわち「ハッピーエンドほど、実は観客にとって退屈なものはない」ことを証明するかのようなラストにたどりつく。まるで、人生、夢は現実にならないぐらいの夢を設定すべきだ、といわんばかりだ。もしくは、この<自己実現>のみを表に出してしまったことがその原因なのかもしれない。同じく新人系女性監督の空気的傑作『犬猫』やアブノーマルなストーリーを普通に見せてしまう力技の『バーバー吉野』のように、肩に力を入れない、特にドラマを意識しない、そんな立ち居地の設定の方が自分にはしっくり来るのだった。まあ、自分が夢実現から逃げているだけだからかもしれないけれど。

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コメント

こんにちは、はじめまして。
 実は、私もこの映画を見て、なんか腑に落ちなくて、うーん。と思っていたのですが、この感想を拝読、ビジュアル面、内容面において感想が本当にまったく同感だったので、書き込みました。ではでは。

投稿: AMP | 2006年3月16日 (木) 13時24分

AMP様、コメントありがとうございます。ハッピーエンド反対論?に関して、ちょっと本日さらに書き込みました。これからもよろしく。

投稿: babby | 2006年3月17日 (金) 03時38分

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