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2007年2月 1日 (木)

これぞの2本

映画観まくり週間。『クイーン』。ある程度、ストーリーは知っていたものの、「その時だけ」を切り取った物語だとは思わなかった。ほとんど、政治駆け引きもののノリ(もっと柔らかいが)なので、『サーティーン・デイズ』を思い出した。さて、以前から、フリアーズ監督作品の味とは何だろう、上手いのはもちろんなのだが・・・と考えていると、いずれも集団劇なのに気づく。アルトマン作品とは違い、主役と脇役の書き分けは出来ているが、フリアーズ作品の脇役は、隙がない。今回も、気をとられる脇だらけで、これが娯楽演劇を作る名匠ならではの味なのでしょう。ちょっとモリコーネを意識したと思われるデスプラのメロディもさすがで、どうして、他の作曲家も、こういったメロディの冒険をしないかな、といつも不思議に思う。

 そして『ラストキング・オブ・スコットランド』。これはわざと前知識を全くいれずに観たが、ドラマの始まりと終りで、印象が全く違うものになっている。ひとつのストーリーを追いかけていて破綻はないものだが、シーンによって、描き方がそれぞれ違う。なので、このドラマが一体、どう行き着くのかがわからなくなる。これはおそらく主人公の心持をタッチに反映させている感じで、中盤まではラフな感じのいかにもインディーズ・ムービーなムードの自然な流れでかつサイケな雰囲気(このサイケさが、この映画のアクセントであろうと思われる)からジワジワとゴールドスミスあたりが音楽を担当しそうな緊迫感あふれる政治ドラマになっていく。アレックス・へフスの音楽も、後半は、ゴールドスミスよろしくオーケストラを激しく鳴らしまくる。『クイーン』は、一シーン一シーンが、芸達者の役者とプロ中のプロのスタッフたちが作っている、まさに見ている間も楽しく面白い物語だが、『ラストキング・オブ・スコットランド』は、一見の不安感を伴いながらの鑑賞が、のちにひとつのピンと張ったものに出来上がっているような作品で、いずれも、大人(どちらかというとオッサン)が「いい映画みたぁ」と思えるもの。しかも、ともにメロディはしっかりしていた。デスプラ、へフス、ともに芯を持ってますね。そして70年代あたりまでの映画音楽のファンですね。

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