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2007年2月15日 (木)

ものすごく新しくないものと、ものすごく新しいもの

本日も2本。『輝ける女たち』という邦題のフランス映画。大女優が何人か出ている映画なら、なんでもつけられる邦題で、どんな映画かわからない。というか、女優目当てで見に行けばいい映画ではあるのですが。80年代以降のクロード・ルルーシュ映画がやりそうな設定、ときどき、フランシス・レイを思い出すメロディ、しかし、外での撮影はほとんどなく、室内撮影がほとんどなので、ルルーシュ映画のダイナミックさはない。女優勢ぞろいといえば、フランソワ・オゾン映画を思い出すが、オゾン映画のような気取ったところは一切ない。女たちはしたたかで、男はいつも女たちにだまされている、みたいなような不変のテーマを、何度も観た覚えのあるシチュエーションの連続で見せる、敢えて新しくない映画である。これは、これで貴重。ある意味、寅さん的なフランス映画。

 そして、この邦題も疑問は残る、19歳の監督の作品『明日、君がいない』。これは、映画を知っている人間であればあるほど作ることが出来ないかもしれない発想に満ちている。一見、ガス・ヴァン・サントの『エレファント』にあまりにも酷似した表現が気になったが、それはどうもガス側も承知のものらしい。むしろ、『トレインスポッティング』と『ヒューマン・トラフィック』のような兄弟関係?にある作品といえるか。そのタッチの独特さで、いろんな興味が拡散する。そして、すごいのが、この映画の構造そのものがテーマになっている、というすごい終わり方をするのだ。こんな映画、初めて見ました。そして、なるほどそうなのだ、と感心させられる。しかも、これは小説などではできない手法だ(うーん、できなくもないかも)。この大いなるネタバレ的なテーマを論ずるのは、観客が相当いるほどの名作(『ユージュアル・サスペクツ』ぐらいに)にならないと難しいのかなぁ。監督は、しかし、このすごい構造は、初めの構想ではない、と答えている。初めに考えられていた構造は、これは私も思いました。そういう映画なのかな、と。そこで、考えを一転させているのだ。「描く、ということは何か」の根本を揺るがす、すごい作品。全体として傑作かどうかはわからないが、とにかくすごかった。

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