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2007年4月25日 (水)

いっぱいいっぱい

『スモーキン・エース』。配給会社はタランティーノやガイ・リッチー映画を例にあげているようですが、確かに、筋立てやセリフ回しはそれを思わせるところがあるのですが(上質娯楽映画作りには定評があるティム・ビーヴァン・チームの入れ知恵か?)、後半、カーナハン・タッチがモロに出るいっぱいいっぱいな感じに統一されてくると、オシャレも何もあったものではなくなってくる。つまり、前半と後半ではタッチが違ってきますが、これは「まさか、ストーリーがこうなっていくとは思わなかった」感を見る側にも感じさせる分にはいいかも。ただし、見終わった後の印象は、決して心地良いものではないので、そこは『NARC』同様のカーナハンらしさが一本スジが通ったというところでしょう。感想、この監督の緊張感の盛り上げは、最近の監督の中ではもっともリアルと思えるので、マカロニ・ウエスタンのリメイクとか、恋愛ものだとロミ・ジュリとか、撮ってほしいなぁ、と思ってしまった。カーナハンのロミ・ジュリなんて、本当に見ているほうもジリジリと痛むんでしょうなぁ。

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唐突でスマート

『ザ・シューター』を見る。ここのところ、映画を見る際以外に書き込んでいないため、どうも変化に乏しい。・・・・さて、この作品、見ていてしばらくは「懐かしい!」と思ってしまった。最近、まさしくこんな映画は見なかったような・・・でも、後半が変わってくる。さすがに現代ならではの展開になっていき、『カプリコン1』とは時代が違う、と痛感する。しかし、このフークア監督って、物語のスケールが大きくなる場合でも、シンプルにまとめている気がする。省略しすぎる部分もあるのですが。ちょうど、今、『さよなら絶望先生』を読んでますが、あれのあまりにも唐突なシーン展開を思わせるぐらいの大胆な省略もあったりする。10代に見ると、きっとその後映画少年になりそうな映画ではあるな、と。

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2007年4月11日 (水)

緑がそよぐ

本日は、久しぶりに二本鑑賞。しかも、今年初めての日本映画鑑賞。まず、直々に招待頂いて鑑賞の『もがりの森』(もがりの漢字が難しい)。10年前の河瀬監督の『萌の朱雀』が、気持ちいいように自分の中に同化していった記憶がありますが、その河瀬監督のその10年後の新作。朱雀の続編というわけではないが、奈良の山奥の緑のそよぎや、本当の自然が、物語の主役となるような、あのテイストはそのままの作品。ストーリーというか、語りたいことを役者の演技じゃないところで、多く表現するこの作品は、最近の役者主義的な日本映画の中で、全然違うところの位置にある。

そして、秋葉原でまなびのDVDゲット後、ついでに初めてのミッドタウン見学を兼ねてのギャガ新試写室での邦題『毛皮のエロス』。本当は、この作品、すごく期待していたのです。もっと、抽象的な作品だろうと思って。でも、キッドマンとダウニーという演技派ふたりを組ませてしまった弊害?か、このふたりの不倫話になってしまった。主人公の女性が、毛そのものにとりつかれていく話だと思うのだが、男本人に惹かれる話になってしまっている。これは、原題の意味もボヤけるので、ちょっと恥ずかしい邦題の方が逆に的を得ている感じもする。最も抽象的だったのはカーター・バーウェルの音楽で、この音楽だけ先に耳にしていた者は、作品自体も、もっと抽象的にエロい映画なのだろう、と期待してしまっていたのでした。

個人的には、東京ミッドタウンの方が、六本木ヒルズより、時間つぶせるし、いい感じでした。

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2007年4月 5日 (木)

パン屋は閉まっている

半年ぶりぐらいじゃないでしょうか。何度か、今週は乗りに行こう乗りに行こうと思いながら、日々の雑多にまぎれてしまうのを避けるため、前日の間に、宿を予約する。宇都宮。烏山線が目的なのですが、そして、それは日帰りでもできるのですが、乗りに行く目的の一つ、"慣れない町で朝を起きる"をしたいがために、ワザと一泊にする、のです。で、烏山はその日の昼のうちに乗りに言って・・・と思っていたのに、結局、日々の雑多が予想外になってしまい、乗りのもうひとつの目的、"新幹線待合室"フェチな自分としては、その快感を味わうことにして、当初、新幹線など使う予定なかったんですが、新幹線で宇都宮へ。もう真っ暗で、これはもう乗りに行く話じゃないので、飯屋探しとなるが、なかなかやっぱり、さすがに地方(申し訳ない)都市特有の、20時あたりなど、もう、開いている食堂は限られている状態でしかも、普通のチェーンの居酒屋のみみたいな状況になってきたので、ホテルのチェックインを先に済ませる。そして、改めて探しにいこうとすると、ここで大雨になっていた。ホテルに入る前にも、新聞を読んでいる主人風の人がひとり見えた(客はいない)ホテルの食堂。そこに入ってみることにし、メニューはいろいろと書いてあるのだが、時間がかかるものを頼むと、本当に時間がかかりそうな気がしたので、「玉子丼」を頼んだ。・・・・これが、あの"一見、客に無愛想っぽい主人の飯が実はウマイ"の法則で、それも面白いほどそれで、これが絶品の玉子丼でした。ちょっとあまりにすごいので、しばらく食べずにちょっと眺めましたから。あまりの玉子の出来加減のすごさに。どこで感動に遭遇するかなんて、わからないですね。

 さて、なので、翌日に烏山線である。第3セクターではなく、JRの線なので、そこそこ乗客は来るのだろう、と思っていると、確かに、学校は休みのはずで、中途半端な時間にかかわらず、そこそこ乗客はいる。ディーゼルで通勤型。走り始めると、まあ、このあたりの地方の線の多くはそうだろうが、チョー平地。ずっとのどかな田園や近郊住宅地を走る感じで、終点へ。烏山駅を出ると、これも、ローカル線の終点といえば、駅前はこんな感じ、のセオリー通りの駅前なのですが、駅前すぐにそば屋がある。ので、入り、朝はパンだけだったので、敢えてカレー・セットを頼んだ(立ち食いそばの食券方式の店で、おばちゃんひとりが作っていた。そこで、地元っぽいおっさんがカレーを食べていたのが、おいしそうだったので)。食べ終わると、乗ってきたディーゼルが引き返す時間に間に合ったので、急いで乗り込む。それにしても、平地平地だから、ということもないだろうが、道中、ものすごく眠く、ちゃんと景色を楽しめた時間はごくわずか。で時間が中途半端だったので、予定外だった日光線に乗ることにした。前日に宇都宮をウロウロした時に長崎屋の中にあった書店(異常にコミックが揃っていた。入ってすぐに「鉄道むすめ」のノベライズが平積みして合ったり、モニターで「藍蘭島」を流していたりツワモノな書店だ。)で買った「こどものじかん」を読みながら、日光線が入るのを待つ。・・・外人さんと女子学生が混然と乗っているという不思議な線だった。しかも、外人(おそらく)夫妻たちは、だいたい、車内で弁当を食べていた。烏山に乗っている間はそうでもなかったのですが、日光線に乗った頃から、天気が何度かどしゃぶっているのを車窓から見ていた。日光に着いたとき、雨は降っていなかったが、そして、さすがに日光だけに、なにかあるだろう、と思って、1時間散策のつもりだったのですが、駅前は、烏山同様のセオリーな駅前で、かつ、みやげ物屋さんはあるようなのだが、どこも閉まっている。少なくとも、そう見える。誰も、いないようだ。そして、何より、寒い。これは1時間滞在は無理と判断、折り返しに駆け足で乗り込む。・・・・気温があんな気温でなかったなら、もう少し、散策もしたのですが。どの車両も、通勤型だったのが、ちょっと寂しかったか。

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2007年4月 3日 (火)

話したい時

デビッド・フィンチャーの新作『ゾディアック』鑑賞。フィンチャーの新作、というよりは、この企画に関わった人たちの情熱を感じる、すごく真面目で隙のない映画。もともとの企画は若き脚本家が映画化権を獲得したところからのようですが、その脚本にしても、フィンチャーの語り口にしても、(今までがそうだった、とは言わないが『パニック・ルーム』はあくまで語り口勝負だったとは思う)とにかく直線的に伝えることに徹している。つまり「普通の一般人」たちが事件に巻き込まれ、喜怒哀楽を示し、人生を変えられていく、という状況が、これがシリアスなんだ、とばかり示されることだ。現実がそうであるように、物事を以上に演出することは一切しない。あえて、演出といえば、「物事が進んだときのシーンしかない」ということだろうか。シャイアがあえて依頼されたスコアも、あおるというものではなく、サラリと混沌としており、かつ、感触が70年代の実録モノの雰囲気。そう、こんな良質?の実録モノが当時はあり、いずれも名作だったな、と考えるに、今回のルポルタージュ映画で思い浮かぶのは『大統領の陰謀』だ。カンバセーション、というよりは。今回の映画は、何しろ、夜のシーンが大多数だし、とにかく自然に見せることが大事なので、そのために最新技術が投入されているよう。今回のフィンチャーは「オレだからこそ、の観点でこの映画をよいものにするためにはどうすればよいか」だった。

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