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2008年11月25日 (火)

ものすごくかっこつける『『『『『『『『『『』』』』』』』』』』

『ゼラチンシルバーLOVE』という映画を拝見。懐かしさを感じる。ストーリーというか、プロットは一応あるが、プロットというよりも、雰囲気を楽しむ作品。というか、設定があるのみ、という感じなのですが、この設定についても、まさに今まで何百万本と作られてきた設定的な設定です。そして、この「映画」の快感は、まさにそこにあるように思われます。なんといいますか、まさに「久しぶりに会った友人と、一晩ゆっくり飲みながら語り明かした」ような快感があるのです。まあ、今回の映画のような感触を学生の頃に親しんで、よく観ていたなぁ、という記憶です。シネ・ヴィヴァン六本木といいますか。その記憶のような映画は、先日『クローンは故郷をめざす』という作品でもバチバチに感じることができましたが、今回も、そのひとつ。ものすごくかっこつけた映像と音楽、それに効果音。「こういうシーンをやりたかった」の連続。「こういうシーンを」「こういうセリフを」的なものは、これも先日拝見した(でも、こちらはれっきとした映画監督としてもベテランによるものですが)『マルセイユの決着』なる邦題の「ギャング」のリメイクでも感じられた。これら3本が作られたタイミングや動機は、バラバラだが、興味深いのは、こういった作品が、同時期に公開を予定されている、ということである。これらは「昔、映画ファンだった人たちへの贈り物」のように思える。これら3本のような映画ばかりが満ちたときにどうかというのは、あまり積極的な意見は出せませんが、なんかへんないい方ですが、映画的醍醐味のない作品が多くなった中で、すごく癒されるのであります。これは、これらひとつひとつの作品が傑作である、という意味とはちょっと異なる。疲れたときになめる角砂糖のようなものだ。
『ゼラチンシルバーLOVE』に話を戻すと、このほぼ限られたシチュエーションを執拗に描く手法は、実際の時間と時間の経ち方を変えてしまうと思う。自分にとっての、その最たる例はジャック・リヴェットの『美しきいさかい女』であり、まだ20分ぐらいかな、と思って腕時計を見たら、もう1時間は軽くたっていた、というのがある。その逆は、以前にも書いたかもしれませんがテレンス・マリックの『地獄の逃避行』で、ものすごい大作を見た気になったが、90分程度の実は作品、というものがある。ひとつのシチュエーションを延々、で、それがいいかどうかは別にして、の例は、かのギャロ様の『ブラウンバニー』がある。ブラウンバニーとゼラチンシルバーLOVEの共通点は、ものすごいかっこつけ映画であることだろうと思う。このものすごいかっこつけ、もいいか悪いかは別にして、時々摂取したいと思うことがある。なんか、360度回転して、結果、楽しませてもらっているという感じだ。こういう場合は、逆に中途半端に終わってしまうと困るので、いくならいきつくしてもらう。ものすごく限られたセリフは、途中までは、プロットと関係のない内容だけで、一見、このままいってくれるか、と思ったが、ストーリーの核心を突くようなセリフも、その後出てきてしまった。観ながら「セリフだけ読んだ時と、実際の内容は、全く異なる物語」というのを一瞬憧れた。映像つきのドラマと、セリフ朗読のみのCDを同時に出す、などの方法はきっと面白いだろうと思う。

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