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2008年12月 9日 (火)

展示物を見て回る

『ホルテンさんのはじめての冒険』拝見。人間には、謎の多い人とそうでもない人がいる。謎の多い人、というのは、考えてみれば、その人が誰であるかを知っている人と共にいる時間の比較的少ない人、をさすのだな、ということをこの映画で確認しました。「妨げられないで思考的作業を多く行うには、他人といる時間は少ないほうがいい」旨を書いていたのは、島田雅彦だったか、島田荘司だったか。ともに、好きな作家ですが。ホルテンさんは、一見、謎の生真面目人間ですが、とある夜から、始まってしまう”冒険”は、決して冒険というよりは、展覧会を長い時間かけてみているような緩やかさと、何気ない思考がある。自分ではなく、周りの景色であったり、人物であったりの奇妙な事柄の数々と偶然あいつつも、それら通しにはつながりはないので、ホルテンさんが、この夜、どういう体験をしたかは、観客だけが見ている感じである。後半は、自身の過去を投影して、ちょっと惑星ソラリスか愛に関する短いフィルムのような、ちょっと感動のアクセントがあるが、それらに興味を示す人間が特にいるわけでもなく、また、興味を示してもらう人間がいる、ということに価値を見出しているかどうかもわからない。ホルテンさんは、唯一?心を通わそうとしている女性がいるようだが。この、ひとりの人間を通して、様々な世界を傍観するストーリー(ほとんどストーリーというほどのしっかりしたものでもないと思う)は、なにか、ひとつのジャンル化されているような気がする。『泳ぐひと』しか、今は具体的に思い浮かびませんが。この「ただ、見ている」というのは、刺激的なもののように思える。
帰りに、新橋の、秋に出来た鳥取の物産館と、近くのせとうちの物産館によって、新橋だからポン・ヌッフ、のポン・ヌッフで立ち食いうどんする。店の名前が好きなため、ついつい行きたい店であります。そして、このあたりで試写を見た後の最近の定番、東京駅八重洲の大丸ノースタワーのデパチカ・ゾーンで、今日は、早い時間帯だったからか(18時代)、鳥皮しおもあれば、なんと天ぷら屋には、たまねぎの天ぷらもあった。ここのは、半月切にして、楊枝に刺していた。たまねぎの天ぷらは、なかなか置いているところがないと嘆いていたら、少し前に、渋谷東急の地下で発見し、そこは、定期的に通うようになったが、しかも、そこは、季節ものとして、カリフラワーも予定されているらしい。デパチカ天ぷらシーンから目が離せない。

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2008年12月 2日 (火)

ピーマンじゃなくて多分パクチー?

『エレジー』『ラーメンガール』拝見。前者は、自分としては、なんとも、見ている自分、というものがソワソワしてくる感じ。ひょっとしたら、そうではないかもしれない期待を時に考えて、敢えてこのような作品を見るが、言わば「自分の考えるとおりの映画」ではあったかと思える。ものすごく行儀が良く、けっして醜くならない映画。ある意味、そこが醜いかもしれない。「あなたの欠点は、欠点がないことよ」。登場人物たちの置かれた状況を冷静に考えると、いずれも、正気ではいられないような状況のはずなのだ。なのだが、登場人物たちは、自分たちが「美しい」ということを自覚している。それは、主人公たちに関してはセリフにも出てくる。全人生について、演技をしている感覚なのだろう。そういった人物たちが出てくる物語ですから、監督自身がおそらく選曲している既成曲による音楽も、情景音楽として使われるクラシックにしても「今、登場人物たちの心の中で鳴っている音楽」ぐらいの感覚でも説得力がある。あまりにも、自分たちを客観的に見る登場人物たち。『死ぬまでにしたい10のこと』を見た記憶は彼方なのですが、本当はそんなに美しくないはずのものを美しく描写する、という考えは、この監督の一貫したものなのかもしれない。それが、一流スター俳優たちによって、完成するわけだから、完璧すぎてしまうのかもしれない。リアルさは全くないが、それがどうした、これはファンタジーです、という感じです。
そして『ラーメンガール』。これは、全く別件で、音楽のカルロ・シリオットについて調べていた途中で知った謎の映画。ブリタニー・マーフィーと西田敏行共演?ラーメンガール?しかし、これらのキーワードだけで想像される映画とほぼ想像通りの作品でした。これは、別の意味で楽しかった。まさか、そんなことはないだろう、そういう感じだったら面白いけれど、と思ったら、本当にそういう映画だったのです。そこには、今では、ちょっと懐かしくなってしまった勘違いニッポン的な表現や、どストライクゾーンなアメリカン・ガールとしての描き方など、ストーリーは初めてのストーリーなれど、水戸黄門的な快感に満ちている。音楽は、なぜかピオヴァーニっぽい。なんだか、両極的な楽しみの作品の2本のようでした。

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