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2009年9月 1日 (火)

歌詞なしは最大の歌詞か

知らないうちに、待望曲がCD化されていた。それはNHKの癒し系旅番組の傑作『こんなステキなにっぽんが』のテーマ曲です。NHKの旅ものといえば『鉄道乗りつくし』『町歩き』といった名番組があるが(もちろん、その過去には、『新日本紀行』という歴史的名番組がありますが)で、このテーマ曲、松本俊明の「琥珀色の記憶」と、タイトルは出ているものの、配信サービスのみでの販売で、CD化がまだなされていなかった。というか、この松本俊明氏について、調べていませんでした。日本の流行歌シーンについては明るくない、ということがあり、調べると、もう、その世界では大家中の大家といっていい作曲家氏ということでありました。旅ものの音楽のグッとくるところは、今の幸福感と、旅が終わるときの寂しさがまじったようなメロディになるところ。ノスタルジー気分のさじ加減で決まるのだ。そして、さじ加減が抜群なものが、心に記憶されていく。で、近年の最名曲がこれだったわけですが、フルで聴くと、導入の寂しげな部分がたまらないのだが、そこから展開しての幸福なメロディの部分が継続されていく。この構成が、より寂しげを増す。で、そのCDは、この番組のサントラという形ではなく、松本俊明のピアノ・アルバム「ピアノイア」というタイトルのもので、その2曲目が、該当曲。ブックレットのイラストは巨匠、宇野亜喜良によるイラスト(といえば、子どもの頃、ネスカフェのキャンペーンかなにかでついていた、ネスカフェの空き瓶をおしゃれな花瓶にする包装フィルム?が、この方のイラストで、それが人生初めての宇野イラストとの出会いだ)で、プロデューサーがなんと立川直樹さん。立川さんで、上品なイージーリスニング系といえば、なんといっても中村由利子の『風の鏡』から始まる諸作である。確かに、あの名仕事と同じ香りがする。ところで、感じるのは、この松本氏のように、ソングライターとして名声を確立された方が、インストゥルメンタルや劇伴の方向へ興味を向けられることは多く、なんか、”作曲”を知り尽くした人間がたどり着くのが、映像音楽(それも、歌なしのもの)なんだろうか。この松本氏の今回のアルバムの中の曲たちも、いずれも、歌詞をつけて、立派な極上バラードになり得るものばかりだが、その”歌唱”というものによるエモーショナルな刺激とはちょっと違うものなのだ、というのは聞く側として、なんとなく感じる。ちなみに、立川直樹さんのブログをのぞいてみたら、「苦しむ独立系洋画」の記事の話が。海外の見たい映画ほど、輸入されなくなって久しいが、これについての考えは、自分も発展させなければいけない、と思っています。・・・さて、次なるNHKのCD化待望曲は、調べる限り、おそらく吉田哲さんと田中景子さんによる『昭和のSL映像館』のテーマ音楽。この番組は、今まで挙げた番組の中でも、最も知る人ぞ知る番組でありましょうから、なかなか困難かもしれません。

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