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2012年6月23日 (土)

白いパンを食べる意味『ブラック・ブレッド』

『月の子ども』のビラロンガ監督作と聴いて、身構えた。当初は、本来なら『ミツバチのささやき』的なアート・フィルムとして成立させられそうな舞台と人物が、あまりにも早いカット割りで物語が進められていき、これは世界観を楽しむというより、しっかりした物語が語られるな、という気配を漂わせる。衝撃的なオープニングなどは、完全に商業映画としての王道であろうし、その中にちょっと気を引く構図のカットがチラチラとあることが、主張みたいなものを感じさせたりする。進むうちに、どんどん提示されていくエロティックなキーワードの数々。そのありとあらゆる、考えられる全てとでもいいたいアクセントは、少年の好奇心を表現するわかりやすい例だが、それ以上のテーマに深く関わっていくのか、と思わせる(これに関して、これ以上、書きづらい。鑑賞者同士の議論のタネのひとつになるであろう箇所ではある)。この物語で気づかされたのは、実際の現実でもほぼ同様に暴かれていく「他人のいい難い過去ほど、実は話したい」雰囲気で、登場人物たちにうわさ話のごとく語らせていくこと。そして、それによって、現在の彼らの置かれている立場は推測することができるが、あくまで、すべては村の人々のうわさ話であるため、本当の真相がどこにあるのかが不明のままで進んでいく。これはぼんやりとは言ってもいいと思うので、書きますが、衝撃がラスト。何が衝撃なのかは、まさか、ここで終ると思っていないところで終るという衝撃。そして、つまりは、あのセリフで映画が締めくくられたのだ、ということがそこでわかるので、その衝撃が結構なことなのでした。
さて、サントラは古風なアプローチから、親指ピアノ的な音色(シンセで出してると思うが)による幻想的でポップなものまで、オーソドックスよりはやや冒険といった感じ。不覚ながら、盤がまだ聴けていませんのでした。

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