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2012年9月23日 (日)

壮大な裏物語を一晩で語る『漆黒の闇で、パリに踊れ』

『漆黒の闇で、パリに踊れ』於銀座テアトルシネマ。
何度も言うが、もう一度。もう、こんなの「パリで、夜だった」でいいじゃないですか。覚えられないだけだし。
ということで、華はなく、日本で無名俳優たちのじっくりドラマということで、あきらめていた作品が、レイトショーとして公開。劇場アナウンスで「ブルーレイによるデジタル上映になりますことをあらかじめご了承ください」は、肯定的驚き。これについて謝ってくれた映画館は初めてだ。
さて、前知識どおり、パリの夜の裏を知り尽くした刑事と、今日だけ、と運転手役を命じられた女性警官のある夜のパトロール。といっても、ありとあらゆる店、人間と通じている男だけに、まるで街の調整役のごとく、すべてが目的意識をもっての行動となる(毎夜がこれではパトロールになっていない気もしないでもない)。
まるで、パリの夜のカタログのようなさまざまな人間模様がスピーディに捌かれていく。不自然な説明セリフなしで、そして一晩の出来事に集約させて、刑事と夜のパリの係わり合いの歴史をほぼ理解させる脚本は、脚本家の満足感も予想できそう。そして、物語が始まってから、うっすらと、この作品の弱点と思われていた部分も回収される。
メインビジュアルにもなっているように、なんといっても、主役のロシュディ・ゼムの面構えといでたちが、この映画を本物っぽく見せている。
決して、明るい映画じゃないし、終り方もハッピーエンドではおそらくないが、不思議な幸福感は漂いながら観ていられた。なんだろう、この映画に期待していたムードに限りなくちかかったということだろうか。

パンフはなし。劇場アナウンスでも、それについて言及あり、にもこだわりを感じた。

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