« 語られてこなかった側から撮るということ『死刑弁護人』『長良川ド根性』 | トップページ | クローネンバーグ・チームの、というよりもハンプトン脚本の映画『危険なメソッド』。 »

2012年11月26日 (月)

ポーランド映画史に残る名作というより、とにかく男と女の甘いハードボイルド。『夜行列車』

『夜行列車』於・シアターイメージフォーラム

社会性を色濃く出すでも、文学性をあふれされるのでもない、娯楽色的な作品。何が娯楽かって、一にも二にも女優(ルツィナ・ヴィンニツカ)の美しさがまずあり、都会的な男と女の雰囲気の生み出す、心地良い危うさであり、そういうドラマです、ということを示唆するイージー的ジャズのスキャットであったり。大体、頭から、こんな感じのシーンに、甘く気だるげなジャズが流れていて、これは本来ならそぐわないから、これは、もう音楽が物語の案内役を観客に行っているわけである。

一応、映画はミステリーの形をとる。犯人?もつかまるが、そこに推理なとがあるわけではない。それよりも、列車は、終着駅があるわけで、この主人公ふたりは、ほぼ、駅につけば、その後はないだろうことは推察できるので、ムードを乱れさせる、犯人確保の一件に使われる時間は、映画内の時間にとっても、観客側としても、じらされるひとときではある。

女車掌と乗務員のやりとりや、もうひと組、美女と初老の男のカップルにしても、大人の男と女の関係、の娯楽人間ドラマとしての空間を作っている。

車窓ファンとしては、列車ものの中では、特筆したいほど外景が映し出されるのも心地良い。

ポーランド映画史に残る名作というのは別として、ここちよい甘くかつハードボイルドな雰囲気も楽しめる、男と女の鉄道映画です。

 

ところで、この映画のテーマといえるスキャット曲、アンジェイ・トゥシャスコフスキによる、アーティ・ショウ「ムーンレイ」カバー演奏(ヴォーカルはヴァンダ・ヴァルスカ嬢)は、単独サントラという形ではなく、過去、POLISH JAZZのコンピの中にどうも入っている模様。以前、この感じのCDはもっていたが、多分、手放している気がする。POLISH JAZZは映画音楽でもある可能性高いのに、結構、チェックが軽かったりしたんですよね、昔・・・・

 

パンフは「ポーランド映画祭2012」として発行。800円。ポーランドジャズ専門ライターの白尾嘉規氏の原稿もあり。

|

« 語られてこなかった側から撮るということ『死刑弁護人』『長良川ド根性』 | トップページ | クローネンバーグ・チームの、というよりもハンプトン脚本の映画『危険なメソッド』。 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/92257/56197717

この記事へのトラックバック一覧です: ポーランド映画史に残る名作というより、とにかく男と女の甘いハードボイルド。『夜行列車』:

« 語られてこなかった側から撮るということ『死刑弁護人』『長良川ド根性』 | トップページ | クローネンバーグ・チームの、というよりもハンプトン脚本の映画『危険なメソッド』。 »