« まるで「ドラマ・シリーズのパイロット版のような」『人生の特等席』 | トップページ | ボンド映画についての評論を具現化するかのような『007 スカイフォール』 »

2012年12月 9日 (日)

ベルイマンとウディ・アレン『秋のソナタ』

『秋のソナタ』於ユーロスペース。

いかにも女優演技合戦的映画は、久々に見た気がする。感情を豊かに表現する芝居としての。

なぜ、今『秋のソナタ』なのか、は、2010年にデジタル・リマスターがなされたものの、日本の権利を買ってきた、ということのようで、また8月に”LIV & INGMAR”というドキュメンタリーがノルウェー国際映画祭で上映された、ということもある模様。

たしか、この作品は、初公開時に三越劇場か大毎地下のどちらかで見ている。そして、その頃は、アート系映画とはこういうものか、というマイナス・イメージの感想が自分の中ではあったと思うが、見直して、まあ、あの年齢ではそうだろう、とも思う。

が、思ったのは、思ったほど、作りにおいてトリッキーではない、ということだ。母と娘が、それまでの人生を語り合うわけだが、その随所に回想シーンは挿入され、映像としてのアクセントを入れることで、決して、ストイックな作りではない。思えば、92分の、ほとんど主役3人のセリフのやりとりだけで、約4~50年の壮絶な母と娘の生涯を描写するわけだから、その構造自体が十分ストイックなのだが。

ところで、ベルイマン映画も、バーグマン映画も、ほとんど見ていないため、それぞれのフィルモグラフィーからしての『秋のソナタ』の凄さがわからない。例えば、バーグマンがこの映画のような演技を見せることが驚きなのかもしれない。

ただ、この作品を見ていて、ほとんどウディ・アレンだとは思った。ある意味、『秋のソナタ』はコメディなのかもしれないし、ウディ・アレン映画は、多くは笑って見るけれども、決してコメディではないのかもしれない、なんて。

パンフレット500円。映画評論家・秦早穂子氏の「秋のソナタ」によせて、は81年当時の岩波ホールのパンフの転載。ベルイマンが、女性に興味を持つことについて。2012年の今、この映画を見ることの意味からは、ずれるので、距離をとって読みたい文章。

映画評論家・河原晶子氏はベルイマンについてで、秦さんの文章とかなり重なる。そして映画評論家・川本三郎氏は女優バーグマンの歴史を説く。そしてシナリオ採録。

|

« まるで「ドラマ・シリーズのパイロット版のような」『人生の特等席』 | トップページ | ボンド映画についての評論を具現化するかのような『007 スカイフォール』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/92257/56288030

この記事へのトラックバック一覧です: ベルイマンとウディ・アレン『秋のソナタ』:

« まるで「ドラマ・シリーズのパイロット版のような」『人生の特等席』 | トップページ | ボンド映画についての評論を具現化するかのような『007 スカイフォール』 »