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2013年2月14日 (木)

いきがるダメ男を照らす日差しを、柔らかくアルメンドロスが捉える『コックファイター』

『コックファイター』於イメージフォーラム 

70年代の映画の中で、何パーセントかを占めていた映画の、あの雰囲気。常に外からの日差しが差し込む空間の中で、男たちと、そんな男たちに似合うワイルドな女がたむろう画面。この感じが、まあ、74年製作の低予算映画だから『コックファイター』にはフルにある。ストーリーは、ある程度、ゲームのルール的に存在するが、見ているほうも、細かいことはどうでもよくて、強がっているが、あまりに情けない男たちのトホホ加減を見て楽しむ。

 何から何まで、このストーリーならば、こう展開してほしいどうりの展開で進み、ラストも、序盤で、これはこう終わるな、と誰もがわかる形で終わって、べつにシリーズものじゃないのに、水戸黄門のような、安心して見切れる作品。

 意外にも、闘鶏のシーンがかなりしっかりあり、ルールもそこそこわかるぐらいはしっかり映す。なので、ダラダラ男のダメダメ・ロードムーヴィだけではなく、闘鶏映画にもなっている。

 それにしても、この年代の、俳優たちのつらがまえの豪華さ。大作で脇を固めるシブいところを集めて、存在感で見せる感じ。アルメンドロスのカメラも、わざわざ呼んで、この映画か、的な失礼な贅沢さっぽいところが、そこがいいし、もう、なんか、柔らかい光を意識するカットとなった時に「わー、アルメンドロスの光や光や」と内心思ってしまって、自分の内心がうるさくて仕方がない。

 パンフレットは800円だが、超詳しい。プロダクション・ノート的解説を遠山純生氏が。

監督インタビューと撮影日誌。スタッフ・キャストのフィルモグラフィも細部にわたり、全76ページ。すべて遠山氏が執筆し、他者のコラムは一切なし、は潔くかっこいい。とにかく、資料性もコミで、相当濃い内容なので、もう他者のぬるいコラムはページのムダだといわんばかりだ。

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