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2013年3月30日 (土)

宣戦布告コンビとの再会、そしてパリの名画座へのうらやましさ『ベルヴィル・トーキョー』

『ベルヴィル・トーキョー』(フレンチ・フィメール・ニュー・ウェーヴ/於シアター・イメージフォーラム)
 
『わたしたちの宣戦布告』同様、彼らは、カップルの役であるため、ダブらせて見てしまうことは避けられないが、どうも、作り手は、その辺の宿命も計算に入れているようである。
どうしても、この作品の場合、気にしないわけにいかないのは、主人公たちの職場なのであるが、名画座の現場って、フランスはこんな感じなのか? と、ちょっとうらやましく思えて仕方がない。
また、監督は、むしろシリアス・ドラマ的に考えているようなのだが、シーンの始め方であったり、次のシーンへの移り方のテンポが、ジャームッシュやロメールを思わせて、シリアスなはずなのに、愛らしく、ちょっとコメディ的香りさえしてしまうのはなんだろう。
そこに、川の水面のきらめきであったり、夕暮のシーンの少々ロングなカットは、映画自体がいわゆる「ドヤ顔」をしているように見えてくる。撮影にレナート・ベルタ。もちろん、美しすぎる画面の時々は、偶然では全くなく、かつ、せっかくのショットを切りたくない感がありありとある。そして、おしゃれすぎるメロディのひねりが、ちょっと映画音楽からは距離を置いてしまうベルトラン・ブルガラのサウンド。嫌いではないですが。
 
そして、パンフ内の監督のインタビューを読む限りでは、パリの名画座の現場は実際にあの感じのようである。ラスト近くで、映画館から、フィルム缶を次々運び出すシーンがあるが、あれこそが、フィルムの記憶を焼き付けておくための一場面であったりするのだろう。
しかし、そんな今回の上映は、デジタル上映なのでありましたね。

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