« 心地よい喜劇的時間の流れ『銀座化粧』 | トップページ | 映画的快感の多さに社会問題的真摯さを思わず忘れる『海と大陸』 »

2013年3月31日 (日)

停滞するテーマ『球形の荒野』

『球形の荒野』(松本清張と美しき女優たち) 於・神保町シアター
  
竹脇無我も島田陽子も芦田伸介も、いずれも、彼らの出演が動機で映画を見ていい役者でありながら、この作品では、突き動かされるものを感じないのは、役者のいずれもが、意外性をほとんどもたないということだ。大滝、藤岡両名優氏の役柄はカギとなるが、主役ではない。
物語自体は、興味の尽きない全体像なのである。が、謎は、かなり早くに解明させてしまい、残りのあいまいさが回収されないことも含めて、解明自体は進行しない時間があまりにも長い。とすると、解明ではない部分がテーマであるはずなのだが、登場人物たちの苦悩も、一向に化学反応を起こさない。佐藤勝の、少しロックテイストも入ったスコアをつい聴いてしまうが、のちの火曜サスペンス的な舞台設定でのシーンの数々は、なぜか、映像美で見せるという意図もなさそうに思われる。何かが、思考中のままで完成させざるを得なかった一本という印象。

|

« 心地よい喜劇的時間の流れ『銀座化粧』 | トップページ | 映画的快感の多さに社会問題的真摯さを思わず忘れる『海と大陸』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/92257/57077159

この記事へのトラックバック一覧です: 停滞するテーマ『球形の荒野』:

« 心地よい喜劇的時間の流れ『銀座化粧』 | トップページ | 映画的快感の多さに社会問題的真摯さを思わず忘れる『海と大陸』 »