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2013年3月10日 (日)

ご清張、まことにありがとうございます。『共犯者』

『共犯者』於・神保町シアター(松本清張と美しき女優たち)
すべてというわけではないが、多くの松本清張もののストーリーのパターンは一見平和な日常を暮らす平凡な市民的成功者と、その人間のあまりにも暗い過去、である。『共犯者』も見事にその例に当てはまるもので、かつ、ひとつのパターンとしてさらにある「実はそうではなかった」「思い過ごしであった」のパターン。これを、この作品では、根上淳の表情いっぱいにいきわたる焦燥が物語りまくっている。
根上淳、船越英二、そして高松英郎。自分のリアルタイムではいずれも、年を重ねてからのいぶし銀演技しか知らなかった大俳優の、もっとも現役だった頃の男前スター存在感的な立ち居地で、彼らがそれぞれの影をもった普通人を演じる。
印象的なのは、この三人の男が、いずれも、固定した連れ合いの女性の存在があることで、その女優たちの存在が、今回の特集にこの作品が選ばれたゆえんだが、この作品では、女たちの影の企みは表には表されない。裏があったのかもしれない女や、結局、女たちの発言の中での謎の部分などがあるが、それらは解決されずに終わってしまう。
観客に第三者的冷静さを失わせない娯楽性を感じたのは、クライマックスだが、思い切り、外でのシーンでありながら、セットとわかる音響処理がなされている。
いずれにせよ、清張清張した展開が、サスペンスなのに、安らがせるのでありました。

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