« マジックを見せられるような不思議な時間感覚『ジャッキー・コーガン』 | トップページ | ドラマではなく状況の幸福な空気を感じ取る『ペタルダンス』 »

2013年4月30日 (火)

サウンドも遊んでほしかったかな『ハッシュパピー バスタブ島の少女』

『ハッシュパピー バスタブ島の少女』於・ヒューマントラストシネマ有楽町
 
可愛らしい島の名前に象徴されるように、それが明示される瞬間はないけれど、完全に「ある少女が空想した、自分に似た女の子の物語」であろうかと想像した。すべてが秘密基地的な世界の生活、日常的に同居する人間と、雑多な動物たち。そして、それは、今まで私たちが見たことのある動物かどうかはあまり意味を持たない。
少女の空想版『ヴィレッジ』を一瞬思う。自分たちが近づかない法がよいと警戒する「現代社会」的な世界。かわいらしいマッドマックス的なことも考えるが、おそらく、これは近未来ではなく、時代としては今の物語である。
もちろんツバルのような問題と直結しても考えるが、いずれもはきっかけにすぎず、それらのもろもろを思わせるものがさまざまにくっついた世界である。
ヴィジュアル的には、『かいじゅうたちのいるところ』を思い出させたりするが、怪獣との違いは、音楽だ。かいじゅうは音楽も「僕たちの世界で作られた音楽」の想像であったかと思うが、『ハッシュパピー』の音楽は、あくまでスコア然として、例えばトイピアノや想像がむずかしい楽器の音色で、という感じではなく、シンセとオケのしっかりとした大人の想像物である。例えば、大きな動物の牙で作ったんだ、というような楽器が登場して、演奏するシーンも少しあって、その延長線上的な不思議な音色でスコアを奏でる、という感じとか。
 
パンフレット。確かに、いらぬ解説はいらぬ、とばかり、結構シンプルな構成になっている。監督はじめ、スタッフ、キャストは何者?という興味のために必要な資料ではありましょう。6歳のクワヴェンジャネ・ウォレスちゃんへのインタビューが面白い。
原稿は、松江哲明監督と、佐藤友紀氏。贅沢をいえば、この映画の発想の原点となっている戯曲家ルーシー・アリバーという人について、資料がほしいかな。

|

« マジックを見せられるような不思議な時間感覚『ジャッキー・コーガン』 | トップページ | ドラマではなく状況の幸福な空気を感じ取る『ペタルダンス』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/92257/57282000

この記事へのトラックバック一覧です: サウンドも遊んでほしかったかな『ハッシュパピー バスタブ島の少女』:

« マジックを見せられるような不思議な時間感覚『ジャッキー・コーガン』 | トップページ | ドラマではなく状況の幸福な空気を感じ取る『ペタルダンス』 »