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2013年5月22日 (水)

緊迫シーンでのスコアとしてのブルース『アフリカ・パラダイス』

『アフリカ・パラダイス』於オーディトリウム渋谷(シネマ・アフリカ2013)鑑賞5月18日
 
  フランス・ベナン合作とあるので、これは、ベナンの観客に向けての映画なのだろうか。もちろん、この作品が、ベナン映画の中央なのか、異色作なのか不明なので、こういった映画が親しまれているのかどうかは分からない。
  一組の白人カップルの行方を追いつつ、彼らが出会う事件の顛末を謎を残すことなく、描かれる。まるで、実際のある事件の推理を人物関係のみ大幅に書き換えてトレースするかのような冷静さがあると思われる。
  数々の謀略の動機も、一見、稚拙なものばかりである。が、それは現実に行われていることも、単語を難解な単語に置き換えられるだけの違いであって、要するに、こういうことなのだ、という単純化のように思える。
  気になったのは、「白人には、こういった仕事しかない」と会話される、その職業についてのシーンがほとんどないことだ。メイドとして生活する女性側のドラマは、メロドラマよろしく結構、濃い目に描かれるが、男の、おそらく過酷であろうと思える労働は描かれない。
  白人カップルが主人公のため、世界を動かしている、と思われるアフリカ人の頭脳に関しても、単語の端々でわかるだけ。あくまで、ひとつの小話を語る上での設定である。
  音楽は、ワシス・ディオップのアフリカン・ブルース。アコースティックな弦楽器と、パーカッションと声のみでのブルースが、緊迫したシーンのスコアとして、すごくかっこよく機能することにほれぼれする。ラブシーンは、いきなり、メロメロのフランシス・レイ風に。

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