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2013年5月 4日 (土)

シリアスドラマの中で繰り出される娯楽テク『骨までしゃぶる』

『骨までしゃぶる』於シネマヴェーラ渋谷(特集上映:復活!!久保菜穂子)
 
この世界を舞台にした日本映画は多くあるという知識はありながらも、それらの作品にリアルタイムでは接する機会がなかったこともあって、「くるわ」を舞台にした映画を見たのは、記憶でははじめてである。貧しい村の生まれで、器量よしだったために、売りに出されて、遊郭で人生を費やし、そこから抜け出すまでのある娘の物語で、これ以上ないほど、そしてそれぞれの長さを測って作られたかのごとく、限られた時間内で、その世界の簡単なパノラマも見せつつ、大団円にもちこみ、疑問は残さずに終える。娯楽映画である。
このジャンルの映画の特徴なのか、この作品の独自性なのかは不明だが、ストレートに描くと暗鬱な悲劇にならざるをえないからだろうか、とくにこれは喜劇ですよ、という主張は出さずに、ドタバタ喜劇的な演出が、ところどころで挿入される。決して、それは笑いを誘うものとして用意されるのでも、自然な画面作りの中でそれが登場するため、シラけさせずに観客をリラックスもしくは集中をはぐらかす作用を持たせているのだろうと思う。

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