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2013年12月29日 (日)

ポップに歴史雑考をジャームッシュ流に行う方法『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』

『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』
於・TOHOシネマズ・シャンテ

 ジャームッシュが吸血鬼映画に着地したのは、歴史私評をポップにこなしてしまう方法として、不老人間のアーティストを主人公にして、彼らに語らせるというのが、らしいかな、ということに終始しそう。かつ、不老キャラクターの中では、バンパイアが最もセクシーっぽいかな(ゾンビよりも)。
 ということで、フランソワ・オゾン作品ほか、ファッショナブルに艶っぽい作品の撮影を任せられることが多かったヨリック・ル・ソーがジャームッシュ映画を撮るという意外なスタッフ構成で、知らずに見ると、ジャームッシュ作品とわからないような映画になっているのだけれども、引用されるおびただしい数の文学、音楽、史実などについてのコメントを、クラシカル趣味な絵づくりで繋いで、ひとつの長編映画とする。ところどころに「君は宗教画か」と突っ込みたくなる画面も登場する。
 そして、ラストは、まるでケシシュ映画への興味の断片と思ってしまう瞬間もありつつ、「あ、そうだ。これ、ヴァンパイア映画だったんだ」と思い出して、あわてる感じのおとぼけ。

 パンフ。大きさからして、シングル盤を気取っていて(実際は、シングル盤よりも、少し大きい)。原稿は、主演二人のカンヌで会見内容抜粋、山下敦弘監督の自作と比較してのジャームッシュ論。芝山幹郎氏が、引用事項についてに重きを置いた原稿、松村正人氏の音楽寄りの作品論、チバユウスケ氏のコメント。一瞬、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』がリアルタイムでない若い観客への配慮的内容かと思ったのだが、そうでもなさそう。

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