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2014年2月 1日 (土)

アクション映画ではないがアクションの映画『アフリカの光』

『アフリカの光』於・神保町シアター

 とにかく演技の映画で、アクションの映画。「アクション映画」ではないが、役者が、表情やセリフよりも、とにかく動きで演技する。それを見せたいがために、映像は余計な演出をしない、とばかり、アフリカのイメージの挿入以外は、彼らを寄ったり引いたりしながら、じっくりほぼすべて長回しで撮っている。
 セリフは少なく、ドラマの起伏も、いわゆる起承転結的にはなく、といっても、ここが始まり、ここが終わり、というはっきりしたものであるので、気取った作りの作品なわけでは全くない。この焦燥感に、違和感覚えずについていけるのは、動きが絶えず、あるからだ。
 初めのほうのシーン、町について二回目にバーに立ち寄った時の、主人公が真ん中でほぼ動かずに呑んでいて、その四方、上下左右では他の客がみんな、結構派手な動きをしているカットがある。これが、自分は妙に面白くなってしまい、そのあたりから、この映画のリズムに乗れた感じ。
 何度か登場する、この製作スタッフたちならではの、男女のシーンも、いわば動きの演技で、この、何もない町で、ドラマを進め、彼らの心理を表現する重要な役割を果たす。
 そして、この映画をわかりやすくしている重要な要素が音楽。演歌ミーツ・イージーリスニングみたいな、ちょっと垢抜けないメロディをポップ・オーケストラの感覚で聴かせるあたりは、当時流行の、ムード歌謡をサックス演奏で録音、のレコード群を思い出し、昭和な感覚にぴったり合う。一曲、よりヨーロピアンなムードの曲もあるが、井上氏が、映画音楽を仕事にするにあたって、バート・バカラックあたりは勉強した、とインタビューで答えていたのを思い出し、納得する。全体の、この歌謡曲的明解さのサントラが、商業映画として優しい。

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