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2014年2月16日 (日)

衝撃の2本『ソルフェリーノの戦い』『湖の見知らぬ男』

『ソルフェリーノの戦い』
ドキュメンタリーとフィクションの融合もいろいろあれど、実際に起きている歴史の現場でロケして、直接その歴史とは接点はないドラマを作る、というのははじめて見た。まあ、よくある構成では実験の意味がないので、成功か失敗かはともかく、その効果を確かめたい、というのはあるのだろう。ドキュメント感をより意識させるためか、それぞれの役名は、俳優の名前そのままだ。もちろん、見所は、現場の群集中のドラマ。マケーニュの、群衆の中での存在感は、なかなかすごく、『女っ気なし』では憎めない魅力ぐらいに思っていたが、実際は、すごいオーラを持った人なのだろう、と。

『湖の見知らぬ男』
シチュエーション・スリラーとは少し違うが、限られた密室のような世界で、限られた登場人物たちの中で、まるで、話してもよい内容についても制限が課されたかのような会話(この世界の外、自身の日常生活は話題にしないことなど)。そして、映画自体も、固定した構図の反復や、湖と森というシンプルながら暗喩的な設定。あきらかに挑発的だが、それは、男女のドラマとしては、過去に発表されたこともあったのではないか、そうではないがために挑発的に見えるだけではないか、と疑ってしまう描写の数々、そのシンプルな中に、悪意ある「想像性」を感じさせ、そのBGMのように、湖のさざ波の音と、森の草木のそよぐ音が常にそこにあり、冷ややかな「沈黙」は決してない。音としては、生ぬるい状態が持続している。まるで、悪い冗談のゲームのコマとして入り込んだかのよう。想起させるのは、ヴェルナー・シュレイター、コーエン兄弟、フランソワ・オゾン、そして男版ロメール?そうではないだろう。

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